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ハッピーミルクフェスタin福岡2025×土日ミルク

九州の酪農と牛乳の魅力を体験できるイベントハッピーミルクフェスタin福岡2025。さまざまな体験型コンテンツが用意され多くの来場者でにぎわったこのイベントでは土日ミルクを参考にしたコンテンツが数多く活用されました。

イベント開催に込められた想い土日ミルクコンテンツに対する見解そしてこれからの展望などについて主催者の皆さまにお話を伺いました

【今回の土日ミルクを創るヒト】
九州生乳販売農業協同組合連合会
中村 隆馬なかむら りゅうまさん/代表理事会長
稗島 喜美男ひえしま きみおさん/代表理事常務
大久保 誠太郎おおくぼ せいたろうさん/販売部 次長
原田 智文はらだ ともふみさん/販売部
下大園 仁香しもおおぞの みかさん/販売部
工藤 利江くどう としえさん/販売部

【記事のポイント】
・来場者の滞在時間を増やすため楽しんでもらえるイベントに転換
土日ミルクを参考に数々の楽しめるコンテンツを開発
・スポーツ協賛やイベント開催など九州ならではの独自性の高い施策を実施
・生産者に応えるため九州全体での消費拡大を目的として活動
・異業種とのコラボレーションや活動による波及効果のこれからに期待

【活用した土日ミルクコンテンツ】
・土日ミルク イベント活用ツール
└牛のエサ展示
牛さんクイズ
学校栄養士の先生クイズ
牛乳売り場のPOP制作
カルシウム200+コップづくり!
牛乳の飲み食べ比べオノマトペで表現してみよう
・週刊土日ミルク2025 | 土日ミルク
└パネル展示

来場者に楽しんでもらうイベントへと転換

2025年11月8日ららぽーと福岡メディアパークで開催されたハッピーミルクフェスタin福岡2025

牛乳の試飲をはじめクイズ大会模擬牛による搾乳体験や哺乳体験など体験型コンテンツを中心に展開するハッピーミルクフェスタ。しかし10年以上前の開催当初は現在とは異なる形で実施されていました。

最初はタレントを招いてのトークやサンプリングがメインでした。搾乳体験や試飲はありましたが楽しめるコンテンツがまだ少なく来場者の滞在時間も短かったですね

そう語るのはイベントを主催する九州生乳販売農業協同組合連合会九州生乳販連の大久保さんです。転機が訪れたのはコロナ禍が明けてからのことだと言います。

共催していたラジオ局が撤退されたことをきっかけにハッピーミルクフェスタの方向性を来た人に楽しんでもらえるイベントに大きく転換することにしました。そこでもっと来場者が楽しめるものを探していた時土日ミルクの存在を知り担当の方にお話を伺ったところ求めていたコンテンツが数多く展開されていることがわかりました。それ以来参考にさせていただいています

[右から]九州生乳販売農業協同組合連合会 販売部 次長の大久保 誠太郎さん原田 智文さん下大園 仁香さん工藤 利江さん。

模擬牛くるみ&クルクルによる搾乳・哺乳体験コーナー。子供たちは牛の大きさに驚きながらも貴重な体験を楽しんでいた。

土日ミルクを参考にした楽しめるコンテンツ

ハッピーミルクフェスタの会場には土日ミルクロゴ入り風船やオリジナル牛乳コップ作り漫画週刊土日ミルク牛のエサ展示牛さんクイズなど土日ミルクを参考にしたコンテンツがずらり。

シールを貼ったり絵を描いたり真剣に取り組む子どもたちの姿がとても印象的なカルシウム200+オリジナルコップづくり
牛乳売り場のPOP制作のほか一社中央酪農会議MILK JAPANぬり絵などお絵かき系の体験コンテンツも大人気。
実際に牛のエサに触れられる牛のエサ展示現役の酪農家が描いた漫画も楽しめる週刊土日ミルクなど土日ミルクを参考にしたコンテンツが並ぶ。

中でも大久保さんが特に感心したのは試飲した牛乳の味に当てはまるオノマトペ擬音語・擬態語等にシールで投票する牛乳の飲み比べオノマトペで表現してみようだそうです。

この方法だと自分が感じた味に投票することでただ飲むだけより味わい方が少し変わるのが優れていると思います。またランキング形式にしてしまうと1位以外のメーカー様に嫌な思いをさせてしまいますがオノマトペはあっさりまろやかなどの感想なので誰も傷つけません。よく考えられている企画だと思います

牛乳の飲み比べオノマトペで表現してみようでは正確に味を評価しようとおかわりする子どもも。

会場を見渡すと赤や黄緑など色とりどりの作業服の子供たちの姿もちらほら。まるで小さな酪農家さながらの子どもたちが夢中になってコンテンツに取り組む姿に周囲の大人たちは自然と笑顔で見守ります。

土日ミルクフェスで見かけてぜひ取り入れたいと思い代理店さんと一緒に制作しました。もちろん無料で貸し出しています

貸し出し用の作業服に身を包んで酪農家気分を満喫したり学校栄養士の先生クイズを体験したりと楽しみ方はさまざま。

さらに会場ステージではタレントのゴリけんさんと三角英恵さんをMCに迎えトークショーやクイズ大会牛の鳴き声選手権なども開催。ご家族連れをはじめ多くの来場者が笑顔で楽しい時間を過ごしていました。

牛の鳴き真似選手権で審査員を務めた稗島喜美男・代表理事常務

独自性の高い施策を数多く実施

大型イベントハッピーミルクフェスタを毎年開催する九州生乳販連ですが活動はこれだけにとどまりません。

九州の牛乳と酪農への理解醸成を目的に新聞広告を毎年出稿。6月には牛乳を飲んだときにできるヒゲの写真をSNSに投稿する牛乳ヒゲコンテストお父さんと一緒に牛乳を飲む姿をSNSに投稿する父の日には乳ちちを贈ろうキャンペーンを同時開催しました。牛乳ヒゲコンテストでは投稿数を伸ばすために担当の大久保さん自ら被り物をして出演したと言います。

春には福岡ソフトバンクホークスの試合に協賛し試合中にビジョン広告でオリジナルキャラクターミルとミクが登場する動画を放映してPRも実施しています。

ミクは8歳の明るく元気な女の子でミルはミクになついている愛らしい子牛です。温かみのある優しいタッチで描かれたアニメキャラクターですが誕生の背景にはとても厳しい状況がありました。

イベントを象徴するキャラクターとして牛乳を飲むミクが登場。

牛乳がどうしても消費されなくて消費に見合った生産の取り組みが2年続いたことがあります。九州ではそれより前から牛乳が泣いていますといった危機感を煽るような広告の出稿も実施していたのですがそういった内容よりも前向きになれるメッセージを消費者の方にお届けしたいという思いからミルとミクは生まれたと聞いています大久保さん

販売なくして生産なし九州全体での消費拡大を目指して

他の地域ではあまり実施されることのない独自性の高い活動を精力的に行う理由について大久保さんは次のように語ります。

私たちは九州全体として牛乳の消費量を拡大するための取り組みを行う必要があります。各県でもそれぞれ取り組みをされていますので同じことをしても意味がありません。少し視点を変えた施策が多い理由はそうした背景があるからです

さらに大久保さんは活動に込められた想いについても語ります。

九州は生産量に対して消費量が少ない地域です。それがとても悔しくて…。酪農業界には販売なくして生産なしという言葉がありますが九州各県の酪農家の皆さんは懸命に生産に取り組んでいらっしゃいます。消費拡大の役割を担う私たちもしっかりと結果を出していかなければならない立場にあるのです

牛乳や乳製品の楽しみ方はまだまだあるのでそれをたくさんの人に届けたいですねという九州生乳販連・大久保誠太郎さん。

九州全体での消費拡大を目指した活動

強い思いを持って精力的に活動を続けている中で結果を出し始めつつあるものもあると言います。それが他業種とのコラボレーションです。

AGFさんカルピスさんとは私の前任者がハッピーミルクフェスタを担当していた時代から一緒に活動していました。少し異なる業界ではリョーユーパンさんやカルビーさんともコラボレーションしています。きっかけはハッピーミルクフェスタだけではありませんが牛乳に関わるさまざまな企業様と協力して消費を増やしていく。そうした流れをこれから作ることができればと考えています。そのためには牛乳でスマイルプロジェクトをどのように取り入れていくかが重要だと思っています大久保さん

さらにハッピーミルクフェスタの開催そのものにも波及効果があると大久保さんは言います。

2年前に鹿児島で開催したところ鹿児島県酪農業協同組合さんが面白い取り組みですねと評価してくださり独自でイベントを開催してくださるようになりました。宮崎県に至ってはJAみやざきさんがコロナ禍以前から同様の独自イベントを開催してくださっています。このようにハッピーミルクフェスタが各地に広がり九州全体で牛乳の消費量拡大を推進していければと考えています

試食ができる企業コラボブースも大盛況。訪れた人々の表情には笑顔が広がっていた。

酪農家の経営を守り消費者への理解を深めるために

中村 隆馬・九州生乳販売農業協同組合連合会 代表理事会長

酪農家は現在非常に厳しい経営環境に置かれています。このままでは酪農家として経営を続けることが困難なほどの厳しさです。そのため乳業メーカー様にご協力いただきこれまで3度の生乳取引価格の改定を実施していただきました。現状では酪農家の経営はどうにか持ちこたえられるレベルにまで改善したように思われます。

しかしながら値上げによって残念ながら牛乳の買い控えが起きているのも事実です。この状況を改善するために九州ではハッピーミルクフェスタのような牛乳の消費拡大を目的としたイベントをできる限り多く実施するよう努めています。

イベントを通じて消費者の皆様には牛乳の美味しさや価値はもちろん価格についてもご理解いただき今後もさらに牛乳を飲んでいただければ幸いです。

また九州は生産量に比べて消費量が少ない地域のため九州以外の地域に生乳を出荷することが多くどうしても輸送費用がかかってしまいます。九州内の牛乳消費量を増やすことで地域外への輸送費用を抑えその分を酪農家の皆さんに還元することが重要だと考えています。そのためにも九州の牛乳消費量拡大を目指したイベントなどはこれからも積極的に実施してまいります。