ハッピーミルクフェスタin福岡2025×土日ミルク
九州の酪農と牛乳の魅力を体験できるイベント『ハッピーミルクフェスタin福岡2025』。さまざまな体験型コンテンツが用意され、多くの来場者でにぎわったこのイベントでは、『土日ミルク』を参考にしたコンテンツが数多く活用されました。
イベント開催に込められた想い、『土日ミルク』コンテンツに対する見解、そしてこれからの展望などについて、主催者の皆さまにお話を伺いました。


本州1位の生乳生産量を誇る栃木県。栃木県牛乳普及協会は、県内での牛乳消費拡大活動の一環として、11月1日に宇都宮市で開催された「とちぎ食と農 魅力発見フェア2025」に「ミルクの国とちぎ『土日ミルク!!』栃木県牛乳普及協会」として出展。ブースの装飾からコンテンツに至るまで、『土日ミルク』の活動を参考に施策を実施しました。
同協会のPR活動に込めた思いをはじめ、イベント出展の感想、これからの展望などについてお聞きしました。
【今回の土日ミルクを創るヒト】
栃木県牛乳普及協会
大野 満(おおの みつる)さん/事務局長
川嶋 智子(かわしま ともこ)さん/事務局
【記事のポイント】
・牛乳に関心を持ち、考えてもらうため幅広いPR活動を実施
・「生産者への応援」という想いも込めてPRを行っている
・『土日ミルクフェス2024』のブースを参考に施策を実施
・人気の「オリジナル牛乳コップづくり」と「バターづくり体験」
・将来的には異業種とのコラボも視野に普及活動を展開
【活用した土日ミルクコンテンツ】
・土日ミルクイベント活用ツール
2023年度に「栃木県民牛乳消費拡大月間」が制定された栃木県。8月は「とちぎ☆夏ミルク」、12月は「とちぎ☆冬ミルク」を合言葉に、オール栃木で牛乳の消費拡大に取り組んでいます。
栃木県牛乳普及協会では、この期間に限らず、年間を通してさまざまな活動を展開。新聞やテレビ、ラジオを使ったPRのほか、学生を対象とした絵画やポスター、牛乳料理のコンクールの開催など、幅広い取り組みを継続的に行っています。また、ミルクキッチンカー「ミルット号」によるイベント等でのミルク販売など、栃木県ならではの活動も積極的に実施しています。
2021年度には待望のホームページを開設し、YouTubeを活用したPR活動も開始しました。
幅広く活動する理由について、事務局長の大野さんは次のように話します。
「やっぱり牛乳に関心を持ち、いろいろ考えてもらいたいからです。たとえば、料理コンクールではクラス単位で取り組んでくれる高校があります。牛乳を前にみんなで『こう作ればいいのか』『こんな組み合わせはどうだろう』と考えてもらえるのは本当にうれしいですね」と話します。
さらに、「牛乳が体に良いということは、みなさん知っていると思います。そのうえでもっと消費してもらうために、牛乳・乳製品の使い方を積極的にPRするようにしています。牛乳であれば混ぜ飲みや料理への活用、ヨーグルトであれば凍らせて食べるなど、そのまま飲む・食べるだけではない使い方を提案することで、なんらかの形で毎日牛乳・乳製品を摂るという状況を作ることができればと考えています」と語りました。
また、すべての世代に牛乳を飲んでほしいという思いは前提としながらも、大野さんは特に10代の方に牛乳をもっと飲んでほしいと話します。
「丈夫な骨を作るには若い頃からの習慣化が大切です。だから特に10代の方には牛乳を毎日飲んでいただきたいですね。学校のある月曜日から金曜日だけ飲むのではなく、土日も飲むことを習慣づけて、丈夫な体を作っていただきたい」
生乳生産量は本州1位の栃木県ですが、実は消費量は低い方。そのため、大野さんは牛乳のPR活動を行う上で、もうひとつ大切にしている視点があると言います。それが生産者への応援という視点です。
「今、栃木県の酪農家も離農する方が増えています。次の世代に栃木県産の牛乳を残していくためにも、酪農家の皆さんにがんばっていただきたいという想いを込めてPRしています。一般消費者の方に向けたPRであっても『牛乳を飲んで私たちといっしょに生産者の方を応援してほしい』という気持ちは常にありますね」
今回、栃木県牛乳普及協会が出展した「とちぎ食と農 魅力発見フェア2025」は、地産地消の魅力を発信するイベントです。本州1位の生産量を誇る「とちぎの牛乳」の魅力を発信するために協会は出展を決めました。
しかし、出展するにあたって、どのようなブースを作るかが課題となりました。
「いままで私たちが出展してきたブースは、あまり飾り気のない地味なものでした」と話すのは事務局の川嶋さん。「このままでいいのだろうか、とモヤモヤを抱えていたのですが、2024年度開催の『土日ミルクフェス2024』へ行き、ガーランド(旗などを紐でつないだ装飾品)などを使った、賑やかで楽しい飾りつけや親子の体験ブースを見て『これだ!』と。そのため、今回の出展ブースは『土日ミルクフェス』のブースを参考にして作っています」
完成したブースのタイトルは「ミルクの国とちぎ『土日ミルク!!』栃木県牛乳普及協会」。数多く並んだ青と赤の『土日ミルク』ロゴは、遠くからでも一目でわかるほど大きなインパクトを放っていました。また、テーブルに並べられたコンテンツにも、『土日ミルク』を参考にしたものがたくさんありました。
そのひとつが「オリジナル牛乳コップづくり」。『土日ミルク』のシールを貼って、自分だけのコップを作る体験コンテンツです。
「子供はシールが大好きなので、かわいい!と言ってよく来てくれます」と川嶋さんが言う通り、イベント開始からわずか2時間、お昼前には用意した約100個のコップがすべてなくなるほどの大人気でした。
また、牛乳コップづくりと並んで人気だったのが「バターづくり体験」。コップに生クリームを入れてフタをすると、みんな一心不乱にシャカシャカ。しばらく上下に振り続けて、バターが出来上がるとクラッカーに乗せてその場で試食。あちこちから歓声が上がっていました。
「バターづくり体験のコップは、当協会オリジナルのデザインになっています。ほかにも牛柄のコップもあって、ホームページで定期的にプレゼントキャンペーンをしています」(大野さん)
その他にも、『土日ミルク』ロゴの入った風船や、牛乳やクエン酸など身近な材料で作る「ミルクバスボム(入浴剤)づくり」など、楽しいコンテンツが盛りだくさん。ブースには多くの来場者が足を止め、笑顔で体験を楽しんでいました。
また、会場の外には他のキッチンカーと並んで、ミルクキッチンカー「ミルット号」が。牛乳はもちろん、カフェラテやチャイなど、栃木県産の牛乳を使った美味しいドリンクで来場者の喉を潤していました。
実はこの「ミルット号」、申し入れすると栃木県内であれば誰でも使えるという珍しい一面を持っています。
「去年は年間80回出動しました。県内各地をぐるぐる回っています。牛柄で目立つので大きなイベントにも出ていますね。農業系以外のイベントも多くて、茂木サーキットでミルクを販売したこともありますよ」(大野さん)
ちなみに、この「ミルット号」の初走行日は2023年7月13日。「栃木県民牛乳消費拡大月間」が設定されたまさにその日にあたります。お披露目式では栃木県知事と当時の協会会長がテープカットを行いました。
多くの人がブースを訪れ、さまざまな体験を通して牛乳の魅力を知ってもらった今回のイベント出展ですが、事務局では手応えとともに、課題についても思いを新たにしたと言います。
「イベントでの啓発はとても大切なのですが、どうしても会場内だけで終わってしまうのを何とかしたいですね。家庭や学校、職場でも啓蒙できる仕組みやPRの方法を、もっと検討する必要があると感じています」(大野さん)
また、川嶋さんも「体に良いだけでは続けられません。美味しいとか、簡単とか、楽しいとかといった要素を、もっと強く発信していく必要があると思っています」と語ります。
こうした課題を踏まえて、栃木県牛乳普及協会ではさまざまな業界とのコラボも視野に入れています。
「栃木はイチゴもすごくおいしいので、牛乳とコラボして『純栃木産イチゴミルク』を開発したりできるといいですね。その他にも牛乳と相性のいいアンパンとのコラボなど、別の業界と手を組むことで、もっと多くの県民に牛乳の魅力を伝えることができると本当にいいと思います」と大野さんは語ります。
栃木県牛乳普及協会Webサイト
https://milk-tochigi.jp/