
“推し”がブランドの顔になる 「みるるやってみた」×「土日ミルク」

よつ葉乳業の人気キャラクター「みるる」と土日ミルクのコラボが実現。同社の広報戦略とSNSを活用したコミュニケーション、土日ミルクとの連携のねらいをお聞きしました。
【今回の土日ミルクを創るヒト】
よつ葉乳業株式会社
小西 昂史(こにし たかふみ)さん/管理統括部 総務広報グループ 係長
上口 俊輔(かみぐち しゅんすけ)さん/同グループ 主任
みるる さん/広報社員

よつ葉乳業株式会社・総務広報グループの小西昂史さん(右)と上口俊輔さん。
【記事のポイント】
・「企業のルーツ」と「酪農家との近さ」を伝えることが広報戦略の柱
・SNSを中心に公式キャラクター「みるる」のファン層を開拓
・「みるる」がブランドと消費者をつなぐ新たな接点に成長
・土日ミルクとのコラボで子育て世代への訴求強化をねらう
・業界共通のキャンペーンで消費拡大につながる相乗効果を期待
【活用した土日ミルクコンテンツ】
北海道の酪農家とお客様をつなぐ架け橋として
北海道を代表する乳業メーカーの一つとして全国に知られる、よつ葉乳業株式会社。その広報戦略について小西昂史さん(総務広報グループ係長)は、「弊社は北海道の酪農家が立ち上げた企業であり、酪農家とお客様をつなぐ架け橋となることがモットーです。広報でも、会社の成り立ちと、酪農家との距離の近さを知っていただくことを重視しています」と説明します。

同社では、広告などによる情報発信だけでなく、生産者と消費者を直接つなぐ取り組みも積極的に行っています。例えば、酪農部が実施するユーザー研修では、北海道の酪農家が首都圏を訪れ、よつ葉製品を取り扱う店舗などを視察するほか、都内の直営店「よつ葉ミルクプレイス」で昨年開催したフェアでは、酪農家が自ら牛乳の試飲を呼びかけて消費者との交流も行われました。
地道な活動で認知度を高めたキャラクター「みるる」
こうした取り組みに加え、より手軽で継続的なコミュニケーション手段として、2018年から公式インスタグラムの運用を開始。「まずは商品紹介や既存の広報素材の転載など無理のない範囲で始め、フォロワーの反応を確かめながらSNS独自の内容を増やしていきました」(上口俊輔さん・総務広報グループ主任)

その過程で人気が高まり、コミュニケーションの主役になったのがキャラクター「みるる」です。2018年に登場しイベントなどに参加していたところ、その姿がかわいいと話題に。「みるるを知ってもらう機会が増えれば、よつ葉乳業や当社の商品を知ってもらえる良い機会になる」と考えた小西さんと上口さんは、全国のご当地キャラとの共演など、SNS上での地道な発信でファン層を拡大。“ゆるキャラ”の人気投票「ゆるバース」でも昨年23位にランクインするなど、認知度は着実に高まっています。
“推し活”で「みるるファン」が「よつ葉ファン」に
みるる関連のコンテンツは、小西さんと上口さん、協力会社のスタッフらのチームで制作。SNSで動画投稿が主流になっていることに対応し、数か月ごとにまとめ撮りした素材をショート動画に仕上げ、定期的に配信しています。中でも人気なのが、2022年8月から連載している「みるるやってみた」シリーズ。スキーや縄跳び、お絵かきなど、さまざまなことに挑戦する懸命な姿が、多くのファンを楽しませています。
「商品に直接結びつかない発信でも、消費者との多面的なコミュニケーションの一環として意味がある」と話す上口さん。「いまの20代、30代に向けた訴求は難しい。マス広告だけでは届きにくいこともある中で、みるるのようなキャラクターをタッチポイントとしてブランドを好きになってもらうことも、一つの有効な手法としてあり得ると思っています」
「実際に、『みるるが好きだからお店に行きました』『みるるを応援したいからよつ葉の牛乳買ったよ』といった “推し活”をしてくださるファンの方も増えてきました。私たち自身も会社のPRにみるるが貢献してくれると実感しており、単なるキャラクターではなく広報社員と位置付け、ひとりの存在として扱っているんです」(小西さん)
子育て世代へのPRにも土日ミルクコンテンツを
「みるるやってみた」シリーズでは、6月の牛乳月間に合わせて土日ミルクとのコラボを企画。取材当日は、牛乳・乳製品に関するクイズや五味識別テスト、牛乳売り場のPOP作りなど、土日ミルクが提供する5つのコンテンツにみるるが挑戦するシーンを撮影しました。
「牛乳博士になりたい」と話すみるるらしく、最初の牛乳・乳製品クイズでは見事に全問正解。その後も、牛乳の味の微妙な違いを飲み比べたり、蹄でペンを握ってPOPのキャッチコピーを書いたりして、楽しみながらチャレンジをクリアしていきました。
【みるるのチャレンジの様子は公式Instagramをチェック】
「クイズやPOP作りといった子ども向けの体験型コンテンツが使いやすいと感じました」と撮影後の上口さん。子どもが楽しめるコンテンツには大人も関心を寄せ、購買行動にもつながりやすいことから、食育イベントなどに取り入れることで、子育て世代へのPRにも使えそうだといいます。

五味識別テストでは、4種類の牛乳を試飲して「あまい」「しょっぱい」など味の違いを判定。大好きな牛乳が飲めると聞いてうれしそう。

売り場POPのキャッチコピーは、気持ちがストレートに伝わる「牛にゅうのんでね」に。「みるる」のサインも書き加えて満足げな表情。

土日ミルクを楽しむアイデアとして、牛乳のドリンクづくりを提案。いちごミルクとラッシーは「手軽でおすすめ」とのこと。
業界全体が参加できるキャンペーンで声を届ける
同社と土日ミルクのコラボは今回が初めてではなく、2023年11月に開催された「土日ミルクフェス」では企業ブースを出展しています。また「牛乳でスマイルプロジェクト」にも早い時期から参加するなど、業界横断的な活動にも以前から積極的に関わってきました。
「牛乳の消費拡大は業界全体の課題であり、弊社としてもさまざまな施策を行っていますが、単独では限界があるのも確かです」と小西さん。「その点、土日ミルクのような業界共通の取り組みを多くの企業や団体が活用することで、消費者にも声が届きやすくなります。弊社もこうした活動に加わることで、酪農家の支援にもつながる相乗効果が生まれることを期待したいです」と語っています。

「これやりたいねと話し合い、二人(+みるる)で撮影に出かけることも多いですよ」と話す小西さんと上口さん。楽しみながらコンテンツ制作に取り組むことが、SNSでの継続的な発信を支えている。
ミルク好きのお友だちをもっと増やしたい
~ 撮影後のみるるさんにインタビュー ~

―― こんにちは!
こんにちは❗ よつ葉乳業広報社員のみるるです🐮
―― 撮影おつかれさまでした。今日は土日ミルクの5つのコンテンツに挑戦してくれましたが、特に印象に残っているものはありますか。
牛乳売り場のPOP作りがとても楽しかったよ🎵 みるるは牛乳が大好きで、毎日飲むのが当たり前だから、牛乳を飲まない人がいると聞いてびっくりしちゃった😯
みんなが牛乳を飲みたくなるキャッチコピーを考えるのは難しかったけど、みるるの気持ちをまっすぐ伝えたいなと思って、「牛にゅうのんでね」にしたよ📝 これでみんなもきっと飲みたくなるはず🥛

―― 読者のみなさんへメッセージをお願いします。
みるるのチャレンジを見てもらうことで、ミルク好きのお友だちがもっと増えてくれたらうれしい❤️ 今日の「牛乳・乳製品クイズ」、みるるは満点だったけど、みんなもクイズに挑戦してミルクのことをたくさん知って、一緒に牛乳博士になりたいね🎓
